文フリガイド編集委員会通信

文学フリマガイドブック(通称:文フリガイド)の編集状況についてお知らせするブログです

アンケートの回答結果を発表します

 皆さん、こんにちは。秋山です。
 ご協力いただきました「文学フリマガイドブック 二〇一五秋(通算第8号)に向けてのアンケート」の集計結果を発表します。7月初旬に発表予定とお知らせしていましたが、出来上がったので前倒しします。
 回答受付は2015年5月29日(金)から6月21日(日)までの約3週間。最終的に51名の方にご回答いただきました。事前に告知した通り、統計情報として、つまり個人を特定しない形で結果を発表します。
 長くなるので折りたたみます。

【01】『文学フリマ非公式ガイドブック』および『文学フリマガイドブック』を読んだことはありますか? 立ち読み等、部分的なものも含んでいただいて構いません。 *
(あてはまるものすべてを選択してください)
□文学フリマ非公式ガイドブック(2012年5月発行)
□文学フリマ非公式ガイドブック 2版(2012年11月発行)
□文学フリマ非公式ガイドブック 3版(2013年4月発行)
□文学フリマ非公式ガイドブック 4版(2013年11月発行)
□文学フリマ非公式ガイドブック 5号(2014年5月発行)
□文学フリマガイドブック 二〇一四秋(通算第6号)(2014年11月発行)
□文学フリマガイドブック 二〇一五春(通算第7号)(2015年5月発行)
□文学フリマガイドブックを読んだことはない

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 51名中、60パーセント強に相当する31名の方が、いずれかの号を読まれたと回答されました。
 実際に読まれた号に関しては、5号と6号が多めではあるものの、どの号も10名以上は読まれており、やや意外でした。もう少し右肩上がりになるのでは、と予想していたので。

【02】『文学フリマ非公式ガイドブック』および『文学フリマガイドブック』を購入したことはありますか? *
(あてはまるものすべてを選択してください)
□文学フリマ非公式ガイドブック(2012年5月発行)
□文学フリマ非公式ガイドブック 2版(2012年11月発行)
□文学フリマ非公式ガイドブック 3版(2013年4月発行)
□文学フリマ非公式ガイドブック 4版(2013年11月発行)
□文学フリマ非公式ガイドブック 5号(2014年5月発行)
□文学フリマガイドブック 二〇一四秋(通算第6号)(2014年11月発行)
□文学フリマガイドブック 二〇一五春(通算第7号)(2015年5月発行)
□文学フリマガイドブックを購入したことはない

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 51名中、やはり60パーセント弱に相当する29名の方が、いずれかの号を購入されたと回答されました。
 5号をピークに、やや下がっているのが目につきます。

【03】『文学フリマ非公式ガイドブック』および『文学フリマガイドブック』に編集者、推薦者、評定員として関わったことがありますか? *
(あてはまるものすべてを選択してください)
□文学フリマ非公式ガイドブック(2012年5月発行)
□文学フリマ非公式ガイドブック 2版(2012年11月発行)
□文学フリマ非公式ガイドブック 3版(2013年4月発行)
□文学フリマ非公式ガイドブック 4版(2013年11月発行)
□文学フリマ非公式ガイドブック 5号(2014年5月発行)
□文学フリマガイドブック 二〇一四秋(通算第6号)(2014年11月発行)
□文学フリマガイドブック 二〇一五春(通算第7号)(2015年5月発行)
□文学フリマガイドブックに関わったことはない

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 ここまでの3問は、このアンケートに回答してくださっている方の背景を確認する意のものでしたが、この質問に関しては予想外に収穫がありましたので説明します。
 1版から3版までの3冊は、いずれも佐藤さんが最高責任編集者を務められていた頃です。ミシュランガイドを参考に、責任編集者以上の3名が許可をした作品のみを掲載するという方針で進めていました。関与者が2~5名と少なめなのは、そのためでしょう。
 4版から5号までの2冊は、高村暦さんが最高責任編集者を務められていた頃です。2版、3版と部数が下がる傾向にあった文フリガイドを立て直すために、高村さんはいくつかの施策を実行しましたが、その内のひとつが評定員制度の導入で、評定員として一気に関与者が増えました。
 6号から7号までの2冊は、想詩拓さんが最高責任編集者を務められていた頃です。推薦者、評定員は、それまでも公募制でしたが、対外的に大きく発表していたわけでありませんでした。Twitter等でこれを告知したこと、そして想さんが引き継いだタイミングで文学フリマ事務局から声が掛かり、「非公式」の3文字が外れたことが大きな効果を生み出しているかもしれません。

【04】良かったページを教えてください。
(あてはまるものすべてを選択してください)
□ガイドブックができるまで
□作品紹介(見開き推薦)
□作品紹介(ヒトコト推薦)
□インタビュー記事
□「気になる」登録数ランキング
□広告
□良かったページはない

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 31名中、90パーセントに相当する28名の方が良かったページを回答されました。
 文フリガイドの主な記事である「作品紹介(見開き推薦)」と「作品紹介(ヒトコト推薦)」が1位と2位に輝いているのは嬉しい限りです。

【05】不要だと感じたページがあれば教えてください。
(あてはまるものすべてを選択してください)
□ガイドブックができるまで
□作品紹介(見開き推薦)
□作品紹介(ヒトコト推薦)
□インタビュー記事
□「気になる」登録数ランキング
□広告
□不要だと感じたページはない

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 31名中、3名の方が未回答で、残り28名中45パーセントに相当する13名の方が、不要だと感じたページを回答されました。
 最も多かったのは、事務局からの打診を受けて、6号から始めた「気になる」登録数ランキングです。これは文学フリマWebカタログにある機能のひとつで「気になる」をクリックされたサークルを、ランキング形式で発表していたものです。
 2位以下の「インタビュー記事」「広告」「ガイドブックができるまで」は、いずれも非公式時代からあったものとなります。

【06】掲載されている作品数は多いでしょうか? 少ないでしょうか?
(参考情報:7号の見開き推薦は11作、ヒトコト推薦も11作でした)
○多過ぎる(現状の半分以下で構わない)
○多い
○ちょうどよい
○少ない
○少なすぎる(現状の2倍以上が望ましい)

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 31名中、1名の方が未回答で、残り30名の方から回答をいただきました。
「少ない」と「少すぎる」を足すと21名ですので、実質70パーセントの方が、量的に不足を感じられているということが分かります。

【07】推薦されている作品ジャンルの傾向についてお伺いさせてください。
○偏っていると思う
○普通だと思う
○偏ってはいないと思う

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 31名全員に回答いただきました。
 この問題は、アンケートを行った質問群の中では、特に根深い問題を抱えていると認識しています。文フリガイド掲載作が偏っているのではないかという指摘は、非公式時代からも声が多いもので、様々な工夫が凝らしてきました。特に非公式の3文字が外れたタイミングで、書名から「小説ガイド」の5文字も削っており、批評や短歌、俳句なども推薦作に含めています。
 また、推薦作を広く公募することで、関係者の好みだけが反映されてしまわないようにも気を配って来ました。まだまだ努力が足りないのか、あるいは、こうした委員会の編集方針がきちんと読み手に伝わっていないのか。いずれにせよ、この問題に関しては、強く意識して向かい合っていかなければと考えています。

【08】作品紹介以外の記事について教えてください。
○インタビュー等の特集記事はあった方がよい
○インタビュー等の特集記事はあってもなくてもよい
○作品紹介以外の記事は不要

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 31名全員に回答いただきました。
 非公式時代に拡販のために始めた試みですが、概ね好意的に受け取っていただけているという認識です。紙幅を増やしすぎると本末転倒でしょうから、引き続きページ数を意識しつつ読み物として展開していきたいと考えています。

【09】判型についてお伺いさせてください。
(参考情報:今までの『文学フリマガイドブック』は新書判です)
○今のサイズは小さすぎる(文学フリマカタログと同じサイズでよい)
○今のサイズは小さい(文学フリマカタログと今のサイズの中間がよい)
○今のサイズでちょうどよい
○今のサイズは大きい(文庫本くらいのサイズでよい)
○どんなサイズでも構わない

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 31名全員に回答いただきました。
 この質問は、今回のアンケートの中では核のひとつでした。と言うのも事前に「推薦作が少ない」や「文字が小さくて読みにくい」という指摘が多いのではないかと予想しており、これに対する改善手段として、判型を大きくすることを検討していたからです。
 しかしながら70パーセントに相当する22名の方から「ちょうどよい」と回答をいただき、少々、揺らいでいます。判型に関しては、注意深く検討を重ねたいと思います。

【10】価格についていかがでしょうか。
(参考情報:今までの『文学フリマガイドブック』は200円です)
○高すぎる(無料とすべき)
○高い(100円が妥当)
○ちょうど良い
○安い(300円以上でもよい)

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 文フリガイドを読んだことのある31名の方に加え、読んだことのない1名の方、計32名に回答いただきました。
 購入者目線で考えると「高い」や「高すぎる」が多いのではないかと思っておりましたが、予想に反し、70パーセントに相当する23名の方が「ちょうどよい」、「安い」と回答した6名も加えれば90パーセントとなります。
 同人誌の原価というものを知っている方が、気遣ってくださっているのではないか……と思います。ありがとうございます。

【11】発売時期に関していかがでしょうか。
○文学フリマの当日販売で構わない
○できれば事前に購入したい

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 31名中1名が未回答で、30名の方が回答されました。
 非公式時代において文フリガイドは「その日、文学フリマに来場された方のためのもの」という編集方針があり、当日販売のみ、また事前の情報公開も原則なしでした。6号以降は、その方針が弱くなり、事前の販売を目指しましたが、2回ともスケジュールに遅延が生じ実現できませんでした。
 アンケートの結果、80パーセントに相当する24名の方が「できれば事前に購入したい」を回答されたので、三度目の正直として事前販売を実現したく考えています。

【12】文学フリマ後の『文学フリマガイドブック』についてお伺いします。
○文学フリマ当日を過ぎたら『文学フリマガイドブック』に興味はない
○文学フリマ後でも、内容が気になるので購入したいと思う

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 31名中2名が未回答で、29名の方が回答されました。
 前述の通り、文フリガイドは長らく「その日、文学フリマに来場された方のためのもの」という編集方針がありました。
 しかしながら秋山個人としては、文学フリマが終わった後も、ガイド自体の価値は衰えることなく、あり続けるのではないかと考えていました。その考え方を、率直に問いかけたのがこの質問です。結果として、60パーセント弱に相当する17名の方に「文学フリマ後でも、内容が気になるので購入したいと思う」と回答いただき、勇気づけられた次第です。
 しかしながら、この問題は根深いものでもあります。感覚的な話になりますが、ガイドを志向するか、レビューを志向するかになります。注意深く検討を重ねたいと思います。

【13】『文学フリマガイドブック』の装幀やデザインについてお伺いします。
○装幀やデザインは優れている、今後も続けてほしい
○装幀やデザインを優れていると思うが、必須ではない
○装幀やデザインを優れているとは思わない、もっと良くすべき
○装幀やデザインについて気にしたことはない

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 31名中1名が未回答で、30名の方が回答されました。
「優れている、今後も続けてほしい」と「優れていると思うが、必須ではない」を足し算すると、70パーセントに相当する21名の方に「優れている」と評価いただき嬉しく思います。ですが、その一方で「優れていると思うが、必須ではない」と「気にしたことはない」を足し算すると45パーセントに相当する14名になり、「優れている、今後も続けてほしい」の13名を上回ります。
 装幀やデザインの維持には、様々なコストを要し、場合によってはそのコストを、他のところに掛けるところで、より良い本を実現できるかもしれません。ここも冷静に見極めていきたいと考えています。

【14】『文学フリマガイドブック』は発行費や運営費を、広告収入で補っていますが、どのように感じられますか。
○賛成し、広告にも協力したいと思う
○賛成するが、広告には協力しない
○興味がない、あってもなくてもよい
○反対する、広告のページは廃止とすべき

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 31名中1名が未回答で、30名の方が回答されました。
 協力の可否はさておき70パーセントに相当する21名の方に賛成いただき安心している次第です。広告に関しては、今まで通り続けていきたいと考えています。

【15】『文学フリマガイドブック』憲章についてご存知でしょうか。
○知っているし、読んだこともある
○知っているが、読んだことはない
○知らない
○興味がない

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 文フリガイドを読んだことのある31名の方に加え、読んだことのない1名の方、計32名に回答いただきました。
 最初の3問と同じく、回答してくださった方の背景を確認するための設問でしたが、70パーセント弱に相当する22名の方が読まれており、素直に驚きました。もっともっと少ないものだと予想していました……。

【16】あなたの作品が『文学フリマガイドブック』に推薦作として紹介された場合、どのように感じられますか。
○嬉しいし、販促に役立てたいと思う
○嬉しいが、販促に役立てはしない
○興味がない
○嬉しくないが、非掲載を求めるほどではない
○嬉しくない、非掲載を求める

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 出店者(サークル参加者)である40名の方に回答いただきました。
 販促に役立てるかどうかはさておき、95パーセントに相当する38名の方に「嬉しい」と回答いただきました。事前の予想では「嬉しくない、非掲載を求める」という方が、一定数はいるのではと考えていたので、個人的には意外な結果でした。

【17】あなたの作品が『文学フリマガイドブック』に推薦作として紹介される場合、事前に内容を確認したいですか。
○はい
○いいえ

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 40名の方に回答いただきました。
 これも少々、意外でした。文フリガイドは今までに、何度も「事前の確認を希望する」という問い合わせを受けてきたからです。「いいえ」と回答された方が多かったとは言え、70パーセント強に相当する、29名の方が「はい」と回答しているのは厳然たる事実ですので、より強く参考にしたいと考えています。

【18】あなたは自分の作品を『文学フリマガイドブック』に推薦(つまり自薦)したいですか。
○自薦したい
○自薦したくない

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 40名の方に回答いただきました。
 これは素直に、まったく予想できなかったので、率直にお伺いしたいと思い設問に加えました。20パーセント強に相当する9名の「自薦したい」という回答された方が、多いのか少ないのかは判断できませんが、少なくとも0人や1人ではないことは理解しました。

『文学フリマガイドブック』を読んだことがない or 購入したことがない方にお伺いします。
【19】どうして購入しなかったか、教えていただけますでしょうか。
○興味がなかった
○興味はあったが立ち読み等で済ませた
○価格が高かった
○どこで購入できるか分からなかった

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 購入したことがない22名の方の内、21名の方に回答いただきました。
 この中では30パーセント弱となる6名の「どこで購入できるか分からなかった」が、対応しなければならない問題として意識しています。また、50パーセント強の「興味がなかった」を回答した方へ、興味を持っていただけるよう働きかけもしていきたいと考えています。

【20】今後の『文学フリマガイドブック』に何を期待するか教えてください。 *
(あてはまるものすべてを選択してください)
□文学フリマへの集客力の向上
□一般来場者向けの案内や紹介
□出店者向け販売促進の支援
□Twitter等で議論できるような話題性
□丁寧で真摯な対応
□継続的な発行
□事務局との密接な連携
□事務局との適度な距離感
□他の文フリ非公式ガイドとの協調
□特に期待していることはない

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 51名全員に回答いただきました。
 ここでお伺いしたかったのは、根底の考え方です。たとえば、やりたいことが複数あるとして、でもその内のいくつかを選ばなければならないとき、どれをどんな順番で選んで進めるか。優先順位をつけるときに、ここでいただいた回答を思い出したいと思います。

 その他、ご意見ご要望ご指摘、また途中の設問に対する補足がありましたら、何なりとお願いします。

 最後は自由記入欄です。26名の方に、何らかのコメントをいただきました。だいたい10文字くらいの短いメッセージは、その内の2名だけで、残りの24名からは、ある程度のまとまったご意見をいただきました。
 ここでは2名以上からいただいた意見を紹介させてください。尚、文章の形は、紹介しやすいように手を加えております。
「(評定員制度はよいが)合う合わないは不要。合うだけでよい」(4名)
「文学フリマ公式カタログと一体化してほしい」(3名)
「Twitter上での議論などでネガティブなイメージがある」(3名)
「推薦作に偏りがある、推薦作が少ない」(3名)
「文字が小さくて読みにくい」(2名)
「過去の推薦作を知りたい」(2名)
「事前に推薦作を知りたい」(2名)
「本ではなく(有料でもよいので)Webで見たい」(2名)
「一般来場者向けを意識して作ってほしい」(2名)
「文フリガイドは自分には無関係だと思っている」(2名)
 以上です。
 抽象化していますが、たとえば「公式カタログとの一体化」であれば、具体的な誌面イメージが付記されていたり、「Webで見たい」であればWebカタログとの連携ですとか、詳細にコメントいただきました。
 人数を併記しましたので、回答者によっては「自分と同じことを考えているひとが、他にもいる」ことが分かっていただけるかと思います。

 長くなりましたが集計結果は以上となります。
 改めてアンケートに協力してくださった方に御礼申し上げます

 さて、今後のスケジュールについて。
 アンケート結果を踏まえて、第8号に向け編集方針と体制を作り上げます。と言うか、もう、だいたいのところは作りました。今は、落ち着いて見返すために冷却期間を置いているところです。こちらは、7月初旬を目処に公開します。
 編集方針発表後、賛同者の募集と推薦作の公募を開始。8月に募集の終了、査読の開始。9月から10月に掛けて、誌面の執筆、編集、連絡、構成、組版、入稿。11月に発行を目指しています。
 細かい情報は、別途お知らせします。
 引き続きよろしくお願いします。

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